入試前日
自習組は今日も早めの集合で午後9時まで勉強していた。
いつもどおり音読までやりきった。
明日は本番。
明日は自分の力以上のことをやろうとしないことだ。120パーセントの力を発揮する必要はない。
平常心はいらない。無理に平常心を求めても逆におかしいじゃないか。
いつも通りではない場所に行くのだ。いつも通りを求めすぎても良いことはない。
そのときだけの自分にだけ都合のいい奇跡は起こらない。
心が折れそうになることだってあるだろう。
それでも最後までテスト問題と格闘するしかない。
完璧を求めるな。
一題一題、できることをできるだけ、だ。
最後に毎年書いている同じ話を。
明日家に帰ったら、お家の人に感謝の気持ちを伝えてほしい。
「今日までありがとう。無事に受験を終えることができました」と。
みんなの受験の日は、そうやって締めくくってほしい。もちろん面接のある人はその後でいい。
そして、お家の方々は、結果が出る前だからこそ、「よく頑張ったね」と生徒たちに声をかけてあげてほしい。
そうやって、ご家族にとっての高校受験も締めくくってほしい。
生徒たちが成長するのは、合格という結果によるのではなく、合格するためにもがきながら努力し続けた今日までの道のりによってだ。
その道のりは、生徒がひとりで歩んだものではない。お家の人の支えがあってこそだ。
また、お家の方々も、我が子の受験を心配しながら見守っておられたと思う。
そういう意味では、生徒本人だけの受験ではなく、お家の方々にとっての受験でもあったはずだ。
だから、生徒たちは感謝の言葉をお家の人に、お家の方々はねぎらいの言葉を生徒たちに、お互い声を掛け合ってほしい。
結果が出る前だからこそ。